もうこれは髪型云々の話ではないことは一目見て分かった。
そしてハッとして、目線を柊くんに移して、彼にしか聞こえない声で問い詰める。
「ま、まさか、大樹もあんなダサいとか言わないよね?」
「まさか!俺は夏休み中に柚花と買い物行ってるし…」
「…つまり元々はダサかったってことね…」
なんだって自分を磨かないの!
こんな良い素材を持っているのに!
そう、叫びそうになってしまったけれど、グっと我慢して、また目線を先輩に戻す。
そう、私はこの人を変える。
髪型ばかりに気を取られていたけれど、服装というのもかなりイケメンにとっては重要ポイントだ。
「先輩、美容室までまだ時間ありますから、とりあえず服を買いに行きませんか?」
先輩はせっかく一張羅を来てきたのに…と、不服そうだったけれど、聞こえないふりをしてカフェを後にした。


