放課後になるまで、柊くんは男女どちらからも色んな意味で熱視線を受けていた。
それを同じ教室で微笑ましく見る私がいて。

私が変えた柊くん、と思うと悪い気はしない。



キーンコーンカーンコーンーー…

いつも、塾に行く為に早々に立ち上がるクラスメイトより先に私が立ち上がり、柊くんの元へとダッシュする。



「さ、大樹。行くよっ」

近所と言っても、柚花の通う高校はそんなに近くない。
柚花を待ち伏せするなら、早く出なきゃ会えないかもしれない。
そんな思いから、私は彼を急かした。



「あ、ま、待って。朝比奈さ…」

「真衣!でしょ?」

「あ、真衣。待って!」


彼はカバンを持って、私の後に続いて玄関まで一緒に走った。