私は無我夢中で、その男の腕を掴んで、やはり無意識のうちに叫んでいた。
「あんたねぇ!何がお洒落は落ちぶれてるやつがやることだ。だよ。
僻んでんじゃねーよ。この秀才男が!
頭良いことしか自慢にならないとか、そんな人生羨まし…じゃなくて、寂しすぎる!」
ーーー私、完全に悪く言えていない。
てか、秀才男!とか、頭いいとか、僻みで言ってるとしか思えない。
静寂した教室は「ぶはっ」と吹き出した音で、解き放たれた。
…吹き出して笑ったのは、柊くんだった。
彼が笑うと、イケメン度が増す。
クラスメイトの女の子たちの頬が赤く染まるのが空気で分かる。
「え、柊くん、かっこいい…」
「あんなかっこよかったの?」
ちらほら聞こえる歓喜の声。
変な空気を、次は私が破った。
柊くんに話しあるからと、強引に教室から引っ張り出した。


