あの2人の間に流れていた“未練あります”な空気がどうも気になって、
次の日、私は教室に入るなり真っ先に柊くんのところに行った。
いつもと違う雰囲気が教室を漂っている。
色んなところから「あれ、柊!?」の声がヒソヒソと聞こえくる。
柊くんは、少し恥ずかしそうに机に向かっていつも通り勉強に励んでいた。
「柊、何、洒落っけつけてんの?」
いつも柊くんと行動を共にしている男が、彼に言ったことからクラスメイトからの質問責めが始まった。
いつも、体育祭や文化祭でもここまでの団結力は発揮しないくせに。
その中から「これで柊は内申悪くなるな」とか「お洒落とかは落ちぶれてるやつがやることだ」とか、許せない発言が飛び交っていて。
柊くんも困った顔して苦笑いしか出来ていなくて。
フツフツと沸き上がってくる感情を押させることが出来なかった。


