切れ長な一重まぶた。
筋の通った鼻。
薄いけれど、形の整った唇。


…こんなイケメンが、この学校にいたなんて…


「…もう良い?俺、あんま素顔好きじゃなくて…」

照れて発する彼の言葉は半分以上耳に入ってこなかった。


「…かっこいい。
柊くん、かっこいいじゃん!
なんで?そんなもっさい髪してるの!?
眼鏡も…。
…ねぇ、イメチェンする気ない?」

「え?かっこよくないよ。はは。
俺なんかがイメチェンしたところで何も…」

「何もないわけないよ!絶対モテるよ」


私がこんなに言っても彼は、いや…でも…だって…を繰り返す。
無類のイケメン好きな私からしたら、こんなチャンスを逃すわけにはいかない。



「…柊くん!ノート取り終わったら買い物付き合って!」

もう好奇心に勝るものは何もなかった。
ただ彼を大変身させたい。その思いだけで突っ走った。

彼の気持ちなんて、考えずに。