それから、私は笑うことを覚えた。
ネガティブな私が嫌だった。
階段から突き落とした子たちも笑顔で許した。
先生からの質問も、全部誤魔化した。
私の行為を“偽善者"っていう子もいるかもしれない。
でも、別にいい。
その時の私に必要な人は和夏だけだったから。
先生にばれて懲りたのか、バレー部の子は卒業するまで全く話しかけてこなくなった。
私にとっては好都合だったけど、和夏は気に食わなかったみたい。
たまに、グチグチ言っていた。
でもね、私のことで怒ってくれる友だちがいるだけで幸せ者だよね。
ある意味先輩とバレー部の子には感謝だよ。
だって、だいだいだーい好きな和夏に巡り会わせてくれたんだからね。
今となってはトラウマもほとんどないし怖いものなしなんだけど、
まぁ、膝の話題がでたら流石に思い出しちゃうよね。
