初恋~君に捧げた季節~



はぁ。林間学校始まって早々怒られちゃった。


和夏ってば、あんなに怒らなくてもいいのにさー。


ぶーぶー。

もぉ、豚になっちゃうよ。


「さーき!」

ドキッ

び、びびった。


「あれ、凌君テントは?」


「んー。もう終わったよ。」


は、はやい!

まぁ、学級委員のときでも作業速いしな。要領がいいのかもなー。


それに比べて、私ってホントに要領わるいよね。


まぁね、それが私の長所でもあるわけなんだが。


のろまが長所って……
自分で言っといて悲しくなってきた。

「なぁ、早希?」


うわぉ!いきなりでビックリしちゃった。


「凌君何?」




……………ん?

凌君はいつまで経っても無言。


下から顔を覗いてみた。


ビクッ


「ご、ごめん。ぼーっとしてた。」


「凌君でも、ぼーっとすることあるんだねぇ。」




「へへっ。まぁな。ところで早希。なんで俺のこと凌君って呼ぶの?」


「へっ?だって凌君がそう呼べって」

言うからって言おうとしたけど、止められた。


「凌君じゃなくて、凌って呼べよ。」


凌君が眉毛を下げて子犬みたいな顔して
言ってきた。


かか、かわいーっ!!


凌君ってかっこいいけど、可愛さも秘めてると思う。


「早希?聞いてる?」



「うん!聞いてるよ凌。」


これでいい?って言うと、凌はめっちゃ嬉しそうだった。