初恋~君に捧げた季節~



今はバスの中

林間学校の宿泊所までは2時間くらいかかるらしい


私は真ん中ぐらいの通路側

もちろん隣は和夏!


前は翔で、和夏の前が凌君


翔と凌君が前から仲いいってことは実は最近知った


『翔も凌君と友達なら紹介してくれたらいいのに!』


って言ったら


『お前が人見知りだから、紹介とかやめて!って言ったんだろ』


って言われちゃった


まぁ…確かに言った気がするんだけどね。笑


「……きちゃん?早希ちゃんっ!」



「…えっ?あっごめん!
ぼーっとしてた。」


「あははっ。早希ちゃんよくぼーっとしてるよねー!」



今私が話してるのは吉田花梨ちゃん


ふわふわした感じの可愛い子だ


「早希ちゃんって意外と面白いよねー。
もっと無愛想かと思ってたー」


「えぇーっ!そんなイメージだったの?私?」

「うん!だって、あの爽やかイケメンの河野君と、俺様イケメンの須崎君が、学級委員を決めるときも
『私どっちでもいいですー』みたいな感じだったからさー!

私だったら絶対妄想しちゃう!

河野君とだったらーとか。」



花梨ちゃんはふわふわしてるのに言いた


いことはズバッと言うタイプで付き合い


やすいタイプだ


まぁ、ちょっと妄想り…違う違う


想像力が豊かすぎるくらい豊かだけど…


「んー、そんなこと考えなかったなー
ホントにどっちでもよかったし。」


「早希ちゃん可愛いのにもったいないなー。もっと恋愛に興味持ちなよー」


「私、そういうのあんまり分かんないからなー
実際、初恋もまだだし…」



「えぇ―――!初恋がまだーっ!?
高校生にもなって初恋もまだなんて子初めて会ったよ!」


「へへっ。中学の時は部活に勤しんでいたんで。」


「へー、何部だったの?」


「バレー部だよ!これでも一応セッターだったんだからー笑」


「そーなんだ!高校ではしないの?」


「え?…うん。ちょっと足故障しちゃってさ……」


「…あー、ごめんね?変なのこと聞いちゃって」


「いいの!いいの!花梨ちゃんには話そうと思ってたから!」


「うん!ありがとっ!
あとさー、その『花梨ちゃん』ってキャラじゃないんだよねー。

だから、『花梨』って呼んで!」


いやいやいやっ!

あなたむっちゃ花梨ちゃんキャラでっせ?


って思ったけど、呼び捨てで呼んでる子ってあんまりいないから、嬉しかった

「わかった!じゃぁ、私のことも『早希』って呼んで、花梨!」


「うん!わかった、早希」


「……ちょっとー、そこ2人でラブラブしてー。私のこと忘れてるでしょー?」



「あっ。和夏」


「和夏ちゃん、ごめーん!忘れてた」


「ヒドッ!花梨ちゃんひどいわー」


「えへへ。ごめんってばー
和夏ちゃんも花梨って呼んでね!」


「うん!花梨も和夏のこと、和夏って呼んでいいよ!」


「やったー!ありがとー笑っ」



なんか3人の絆が深まった感じー


嬉しいな、和夏以外のこんなに話せる女友達初めてかも!


花梨のこと大事にしよう