***

魔王の部屋をでた後、二人は手を繋ぎながら歩いていた。

「エデン?聞きたいことがあるの、いい?もし嫌なら答えなくていいわ。」

「ん?何だ?」

「あのね、エデンのお母様はいないの?」

エデンは立ち止まった。

「…生きてはいる。だけど、この魔界にはいないんだ。」

「そう、なの?」

エデンはイヴの目をみて話し始めた。

「お前は許嫁だし、これからこの城に住むから、話しといた方がいいな。」

「エデン、話したくないなら話さなくていいんだよ?」

エデンは首を横に振る。

「いや、言う。」

「うん、じゃあ、聞かせて?」

「俺の母上は天使なんだ。」

「え?天使?じゃあ、今エデンのお母様は天界にいるの?」

エデンは頷く。

「ああ、そういうことになる。そして、俺は天使と悪魔のハーフなんだ。」

「そうなの?!かっこいいね!!」

「へ??かっこいい??」

「うん、かっこいいよ!天使と悪魔のハーフなんて強そうじゃない!いいなぁー、私も天使と悪魔のハーフがよかったなー」

そんなイヴの言葉を聞いて、エデンは笑う。

「え、エデン?」

「みんなこれを聞いて、気持ち悪がられたり、避けるのにお前はやっぱり本当に面白いやつだ。天使と悪魔のハーフがかっこいいなんて初めて聞いたぞ。」

「え、そうかな?でもエデンのお母様は次いつ帰ってくるの?」

「それはわからないな。俺の母上は気ままだから。でも、俺の父上が唯一、一人愛した女だ。だからいずれは帰ってくるだろう。」

「そっか、私も早くエデンのお母様に会いたいなー」