「…大丈夫。信じて彼のこと。それにサイエは充分女の子だよ。」
「サン…。今からでも遅くない。早く馬車に乗って…っ」
「私も恋がしたいな…。」
私はサイエに向けて微笑む。
それと同時に3分がたち、馬車が出発する。
「サイエ!元気で!私は大丈夫だから気にしないで!」
「サン…っっ!!」
サイエが泣きながら私の名前を呼ぶ。
「それから、名前…つけてくれてありがとう…。サイエに会えてよかった。」
涙がこぼれそうになるけど、泣かない。
サイエたちの中で笑った姿で残っていたいから。
だから、力いっぱい微笑み、手を振った。
もし、ここから解放される日が来たら、また会いに行くね、サイエ。

