「…はい。」

アセナはエレーヌから手を離し、後ろへ下がる。

「あら、エデン様助けてくれて嬉しいわ。」

「貴様、俺に術をかけたな?」

その言葉にエレーヌは目を見開く。

「し、していませんわ!なぜいきなりそんなこと仰るの?!」

「貴様、演技は得意でも予想外の事には嘘が隠すの下手だな。」

「…っっ」


「貴様は私を操って何をした。」

「あら、エデン様覚えてらっしゃらないの?私達愛し合った仲なのに。」

「なんだと?」

「だから!エデン様が私に熱いキスをしてきたんじゃない。」

「貴様っ!」

アセナがまたエレーヌの腕を掴む。

「そうか…。わかった…」

聞こえない声で呟く。

…イヴのあの悲しい顔は俺とエレーヌがキスをしていたからなのか…。

「それで、お前はイヴを脅し、窓から突き落としたんだな?」

「そうよ!あの女エデン様を奪った憎き女……ち、ちがうの。」

気持ちが高ぶりつい言ってしまった言葉をエデンはちゃんと聞いていた。

「アセナ、この女を牢屋へ入れろ。」

「はっ!御意!」

そして、アセナはエレーヌを引っ張り部屋から出て行こうとするが、それをエレーヌが拒む。

「いやっ、エデン様ちがうのよ!エデン様エデン様!私を愛してよ!エデン様!」

「もうお前の顔なんか見たくない。早くここから消えろ。」

「ほら、来るんだ!」

「いやぁぁぁぁあ!エデン様ぁぁあ!」

アセナはエレーヌを無理矢理連れて部屋から出て行った。