骨董屋の中は宝石や家具なのいろいろなものが置いてあった。

「わぁ、綺麗な宝石だわ。」

キラキラと光る宝石に目を奪われる。

「いらっしゃい……ってお前奴隷か…?!」

店の奥からこの骨董屋の店主であろう男の人が私を見て言った。

私も今日はいろいろなところの買い物に行ったので、もうそのセリフや驚いた行動には慣れていた。

「はい。私は奴隷ですけど、何か?」

「……お前本当に奴隷か?」

男の人は不思議そうな目を見て、私に同じ事をもう一回聞いた。

「はい、私は奴隷です。だけど、私は悪いことはしていませんよ?それに骨董屋に奴隷がいちゃいけないというルールなんてないでしょう?」

「……ふっあはははっ!」

男の人はいきなり笑い出す。
私にはなぜ男の人が笑い出したのかよくわからなかった。

「いや、ごめんな!あまりにもお前が奴隷らしくないんでな!たしかに奴隷が骨董屋にいてはいけないなんてルールはねぇ!ゆっくり見てまわればいい。」

私は目を見開いた。
だって、今日初めてそんな奴隷に対して、冷たい態度ではない人に会ったから。

「あなたも変わってるんですね…。」

「俺は変わってねーよ!この街のやつらが悪いんだ!だってお前らは最初から奴隷じゃ、ないだろ?外見だけで見たら同じ人間じゃねーか。」

「ふふっ、とっても変わってますよ。」

私は微笑んだ。

「そーだ!笑ってろ!笑えばいい事あるぞー!そーだ、お前名前なんて言うんだ?」

「私の名前はサンです。…あなたは?」

「俺はゼンだ。サンか、髪の毛と名前が合ってるな。」

「ありがとうございます。…あの骨董屋って何かを売ったらお金になるんです、よね?」

「あぁ、そうだが。だけど、お前何も持ってないじゃないか…。でもその髪色は売れるかもしれないな……。」

「髪…?」

私は下ろしていた髪から一束掴む。

「ああ、その髪色はこの世界じゃ、珍しい色だ。おまけに宝石みたいに輝いてるし、高値で売れるな。あ!やっぱ気にしないでくれ!今のは仕事の性格がでちまってよ。本当に気にしないでくれ。」

「いえ、大丈夫です。あの、話の続きしていいですか?」

「あ、あぁ。」

私はゼンに問う。

「この髪はどれくらいのお金になりますか?」

「万は余裕でいくな…。」

私はその言葉を聞いて、決心をした。