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あの後、屋敷から出て、私はお店が多く並ぶところまで歩いてきた。


「人がいっぱいいるわ!」

私は人通りの多いところまで歩いていくと、妙な視線を感じた。

「…??何だろう?」

周りを見てみると、その妙な視線に気づいた。

その視線は私を見る、冷たい視線だった。

しかも、視線の数は一つだけでなく、たくさんの人が私を見下した目で見ていた。

私はすぐに気づいた。この人達は私を奴隷として見下していると。

私が奴隷ということに気づくのもしょうがない。なぜなら私は自分の力じゃ、外すこともできない鎖で繋がった枷をしているからだった。


あの子たちが泣いて嫌がってたのはこの視線が原因ということにも気づいた。

「たしかに辛いわね…。」

私は微笑した。
止まっていた足を前へとまた動かす。

「だけど、ここで立ち止まったら負けだわ。さ、買い物の続きをしないと。」

私を見ていた周りの人々は私が前に進んだことに目を見開いた。

「そんなに珍しいのかな?奴隷が前向きにいることが。」