自分では見えないので、自分の耳に手を触れてみるととんがった部分はなく、丸くふにゃふにゃとした感触があった。

「…まるい……。」

サイエがまた笑い出す。

「サン、頭大丈夫か?この世界に悪魔は存在するが、もしサンが悪魔でも奴隷になることはないだろう?」

「…そうだね……。私どうかしてる、みたい……。」

「しょうがないとしか言えないね。今のサンをみたら。」

「うん……。ねぇ…サイエ、奴隷ってなにをするの…?」

「大雑把に言うと雑用だな。労働時間も長いし、それに私たち奴隷は女しかいないから、大変なんだ。」

「…逃げるんじゃなくて、この屋敷の外には出られないの? 」

「出られるときは一日に一回買い物をするときだけだな。でも鎖をつけたまま出なきゃいけないから屈辱だぞ。」

「…そう…。」