私は目を見開いた。

「ど…れい…。」

「ショックを受けるのは当たり前だ。私たちも最初は心が苦しかったよ。」

「サイエたちは…どのくらい…ここに…いるの?」

「3年かな…。一番長くて5年のやつもいる…。」

「そんな…に長く…いるんだね…。ここからは…でられないの…?」

サイエは悲しそうな顔をして首を横に振る。

「でられない…。でられたとしても、それは死ぬときだ…。」

「…!!それ…じゃあ…逃げられないんだね…。わたしたちは…このまま…一生…ここで…奴隷として…生きること…しかできないんだ…。」

「そうなってしまうね…。私たち人間は本当に愚かだ…。」

「にん…げん……。ちが…う…わたしは………。」

「どうしたんだ、サン?なにか思い出したのか?」

「わたしは…にん…げん…なの…?」

自分でも訳のわからないことを言っていることはわかっているが、それを口に出してしまう。

そんな私をみてサイエは笑う。

「何を言ってるんだ、サン!お前は人間だろ…!ほら証拠に耳がちゃんと丸いじゃないか!」

サイエが私の耳を指差す。