イヴが部屋からいなくなったあと、バイオが口を開いた。
「そういえば、イヴどこに行ったんだ?」
「バイオ、様をつけなさいと言ったでしょう?」
メルがバイオを睨む。
「もう、いいじゃねぇか。それにイヴは俺を拾ってくれたんだ。だから俺の主でもある。主がお願いしたことはなんでもする。お前だって、そうだろ?」
「そ、そうだけど…。私は…イヴ様を呼び捨てにすることなんて、できないわ…。」
メルを見てため息を吐く。
「はぁ、不器用な愛というか、忠誠心だな。まぁ、時間がかかってもご主人様の願いは叶えさせてやれよ?」
ポンとメルの頭に手をのせるバイオをメルが睨む。
「わ、わかっているわ!犬のくせにうるさいわね!」
「犬じゃねぇ!狼だ!」
「あら、変わらないじゃない、犬も狼もワンワン言うのだから。」
「強さ的には違うんだよ!あんなか弱で可愛い犬と一緒にすんな!猫!」
それから二人の言い争いが長く続いた。

