「そ、そうだよね。私達もう会って10年も経つんだね。」
今度はメルが頷く。
「はい、イヴ様。これからは夫婦にもなられますと、秘密も悩み事を言わなければなりません。」
「そ、そうよね!よし、私エデンに謝ってくる!ありがとう、メル!」
イヴはソファから立ち上がり、机から一つの箱をもちドアへと向かう。
「イヴ様、その箱は何なのですか?」
「これはね、エデンへのプレゼントなんだ。明日、誕生日だし、今渡せば仲直りできるかな〜って思ったの。」
少し赤く顔を染めながら少し微笑する。
「絶対エデン様はお喜びになられますよ。」
「ありがとう、メル。本当は当日に渡したかったけど、まぁいいよね。」
ドアノブへ手を伸ばそうとした瞬間、ガチャリとドアが開いた。
「わっ!?」
「イヴ様!!」
メルはイヴの前とすぐに駆け寄り構えた。
しかし、開いたドアから現れたのはバイオだった。
「バイオ?」
「あ、ごめんな、イヴ。驚かしちまって…。」
「ううん、大丈夫…「バイオ!!いつもあなたはノックしてドアを開けなさいと言ってるでしょう!?」
メルはイヴの前にたち、バイオを怒鳴る。
そんなバイオはムッと顔を顰める。
「忘れてたんだよ。謝ったからいいじゃないか?」
「いいえ!よくないわ!もしも、イヴ様に何かあったらどうするの?!それにイヴ様の事は様をつけて、呼びなさい!」
「…お前までアイツと同じこと言うのかよ…。」
ボソっと呟くが、メルの耳には聞こえなかった。
そんな中イヴが口をはさむ。
「あ、あのメル?お説教はそのくらいにしてあげて?バイオも反省してるみたいだし…。ね?お願い。」
「イヴ様がそこまで言うのなら…。わかりました。申し訳ありませんでした、取り乱してしまいました。」
「ううん、いいのよ。それにバイオに呼び捨てにしていいよって言ったのは私なの…。メルも私の事呼び捨てにしてもいいんだよ?」
「そ、そんな恐れ多いこと、申し訳ありません、私にはできません…。私は主を呼び捨てになんかできません…。」
しゅんと小さくなるメル。
「そっか、ごめんね。でも私、主じゃなくて友達の方がいいな。今はできなくてもいつかその願いを叶えてくれる?メル?」
「…わかりました、努力します。」

