魔界世界二アタ

魔王ヴァルバトーゼの城ーー

城の広い庭で綺麗な歌声が聴こえる。

「〜〜♪」

「あら、イヴ様だわ。相変わらず、綺麗な声ね。」

「本当よね。イヴ様がこの城に来てからもう10年もたつのよ、早いわね〜。」

「エデン様とイヴ様の子どもを見るのもそう遠くはなさそうね。」


その歌声を聴いて、メイドたちは話していた。

「あら、エデン様だわ。」

城の廊下の方からこの国の王子エデンが歩いて来た。

メイドたちはエデンに向けて頭を下げる。

「「エデン様、おはようございます。」」

「あぁ、おはよう。イヴを見なかったか?」

「イヴ様でしたら、お庭の方にいらっしゃいます。」

「そうか、ありがとう。」

エデンはメイドたちに礼を言うと、庭の方へ向かって行った。

そんなエデンをみてまた話し始めるメイドたち。

「エデン様、また公務抜けてイヴ様に会いに来たんだわ。」

「本当に許嫁なのにラブラブよね、あのお二人は昔から。」

「えぇ、そうね。でも最近セイレリア家のご令嬢エレーヌ様がエデン様に会いに来てるらしいわ。何もなければいいのだけど…。」

「大丈夫よ。たとえ、エレーヌ様でもあのお二人のラブラブの関係には入れないわ。」

メイドは微笑しながら言う。

「そうね。」