中に入ると細長いテーブルにあるたくさんの料理が見えた。
そして、もう一つ視界に入った。
それは細長いテーブルの椅子に座ってこちらを見るラスフォール。
あの日からどのくらいたったんだろう。
会いたくないとずっと願ってたのに。
だけど、今日は負けないんだ。
そう考えているとラスフォールが口を開いた。
「いつまでも立ってないで座ったらどうなんだ。」
「あ、はい。」
彼も私を奴隷として軽蔑してるのだろうか。
冷たい言葉をかけられてそう考えてしまう。奴隷になったあの日から。
そして、私は彼の近くへ行かないよう、随分と離れた場所に座った。
それを見たラスフォールは私を睨む。
「もっと近くに来たらどうなんだ。」
「…いえ…私はここでいいです。」
「…。お前は俺の嫁になるんだ。嫁が夫の近くで食べないでどうする。」
どうして、私が近くで食べないことを気にするの…?
「私はまだあなたの嫁ではないです。だって、婚約の誓いも結婚式もしてないでしょう?」
ラスフォールの意見に拒否し続ける私をラスフォールが先程よりも睨む。
「それがなんだ。だったら明日にでもあげるか?いいのか、初夜も明日になるんだぞ?」
そう言うと彼は片方の唇をクイっと上げて不敵に微笑んだ。
それを聞いた私は目を丸くした。
そんなの嫌…。絶対嫌よ…。
「お前が隣に来ないなら、明日にでも式を挙げて、無理矢理にでも隣に来させることができるんだぞ?」
この人は私の弱いところばっか狙ってくる。
それに抵抗できたらいいのに…。
今の私にはそんな力なんかない。
何にもできない自分に腹がたつ。
「嫌なら、私の隣に座れ。これは命令だぞ?」
この人も私を奴隷としてしか見ていないんだ。
私は椅子から立ち上がり、ゆっくりとラスフォールの隣の椅子へと向かう。
お嫁さんか…。
好きな人と結ばれたかったな…。
けど、私はこれから死ぬまで一生捕われるんだ…。
だから、もう恋を続けることはできない。

