エデンの母親の話を聞いてから、数分後二人の間に沈黙がうまれた。

するとイヴが口を開いた。


「……ね、ねぇ、エデン?」

「なんだ?」

「あの、ふつつか者ですが、よろしくお願いします!」

顔を赤く染めるエデン。

「なっ、何を急に…っ!」

「だって、私達結婚するんでしょ?だからだよ」

微笑みながら言うイヴ。

イヴの手を引っ張っていたエデンが立ち止まる。

「本当に俺の婚約者になってもいいのか?俺は次期魔王候補。だから婚約者のイヴも命を狙われることもあるんだぞ?それでいいのか?」

イヴは黙って頷いた。

「いいよ、エデン。もし命が狙われたら私がエデンを守ってあげる。」

「女に守られるのはやだな」

エデンは微笑しながら言う。

「だからね、エデンは私の事を守って?ね?」

「わかった、俺はお前を守ることを誓う。約束だイヴ。」

「うん約束ね、私の王子様。」

「は、恥ずかしいこと言うな!やり返しだ!」

イヴの腕を引っ張り、腕のなかに入れる。

「お前を守る。約束だ。俺の姫。」

すると、腕のなかにいるイヴが真っ赤に顔を染める。

「は、反則だよっ!は、離してエデン!」

「やだ」

微笑しながら言う。

「は、恥ずかしいよ!エデン!」


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ーーーー許嫁って幸せじゃない人ばかりいるけど、私はエデンが許嫁で幸せだった。

でも、まだこの頃の小さな私は幸せが続かないことなんて思ってもいなかったんだ。

気づいたのはもう少し先のお話ーーー