「武とヤったの」



『え、』


どうして、どうして



私が修平さんの事好きだって、貴方が一番知ってる事でしょう?



「お前は俺のオモチャの癖にフラフラしてんじゃねぇよ」


『――っ』



目尻がジワジワと熱くなる


大好きな彼女を家に置き去りにして私の元へ来たのは、それは何故?

監視?分からない、分からないよ…




「修平、やめろよ」

ふわり、背後から声がした



「何?もしかして胡桃の事好きになっちゃったとか?」

ケラケラ、彼は馬鹿にしたように笑う




お願い、やめて……


「――別に」



うん、うん、そうだよ


私の事なんて好きになってくれる人なんていないもん


きっと、この先も。




「じゃあ、胡桃を泊めてくれてアリガトーゴザイマシタ」

行くぞ、という声と同時に手を持たれた



駐車場に着くまでそれは離れることはなかった



「乗れ」

何故か、彼は怒っている



戸惑いながらも彼の車に乗り込んだ