「もしもーし」

なんて元気そうな声



「あー、俺だけど…」


「ん、どうしたの」


"胡桃ちゃんと会った"そう言おうとした――


「修平ー!誰から電話ぁ?」

甘い声が、聞こえた

これは完全に彩海ちゃんの声で…


「ああ、武だよ」

優しい声が電話超しから聞こえる



「そっかぁ。じゃあ私部屋戻るねー」

甘い声でいう彼女は部屋に戻る



「…何、二人一緒にいるの?」

半笑いして言った



「んー…おう。」

それでハッとした。


胡桃ちゃんが何故ラブホに行こうとしたのか――…

帰る家が、なかったんだ



「なあ、修平」


「ん?」


「さっき胡桃ちゃんと会った」


「ふーん…そう」

面白くなさそうな声を出す


これ聞いたら、もっと面白くないだろうなーなんて思いながら声を出した





「なんか家に帰れないっぽくて困ってるんだよねー」

「じゃあアイツに合鍵渡してるから家入れていいよ」


…なるほど、だからあの家にいたのか


でも、 あ…そうですか、って言って修平の家に帰すわけいかねーんだよ






「胡桃ちゃん、今日は俺ん家泊めるから」








「は?」




その声が聞こえた時、途端に通話終了ボタンを押した