彼がコンビニの中に入ってきたとき、反射的に雑誌を閉じた。


「何見てたのー?」


『…そこの、雑誌です』


「…っそ」


どうして、来たのだろうか

といっても買い物をする為にコンビニに来ただけかもしれない


「胡桃ちゃん、家戻らないの?」



『え、、え、あっ…戻りますよ』



それはもう、挙動不審な声が…




「っぷ」


『…、』


「あ、ゴメン。俺さ、知ってたんだよね」


『…え?』


何を、知ってた?



「修平が、彩海ちゃんの家にいるって言ってたから、だから行く所ないんだなーって思ってさ」


クスクス、彼は笑った



『…そう、なんですか』


馬鹿にされた



「だから、迎えに来た」



『え…?』





もう、この渦から逃げられないと思った。


"修平さん"という渦から




「俺ん家、とりあえず来れば?」



その中で私は、一本の出口を、見つけた気がした。