その後、颯太は私をギュッと抱きしめて



用事があるからと言われ、カラオケを出た




『駄目だよ…』



「いいの、胡桃が一歩前に進めたお祝いってことで!」



一人でカラオケ3時間いたお金と、颯太と私でいた2時間、そして飲み物代を颯太が私を押し切って出してまったのだ



『もう…』



馬鹿…



こんな風にされたの始めてで



この感情をどうすればいいのか分からなくなって



でも嬉しくて




素直に奢ってもらうことにした



「そう、胡桃は俺の彼氏なんだから、俺がいいっていったらいいの!」



クシャクシャと髪を撫でてくる颯太に


『子供じゃないんだから』



なんて返すけど可笑しくなって笑ってしまった





「俺、ここで曲がるから」



喋りながら歩いてたらいつの間にかバイバイの時がやってきたみたい



『うん…ありがとね』



「いいの!本当は家まで送ってやりたいくらいなんだけど、用事が元々あって…」



――もしかして、私の為に用事のギリギリまで…


なんて、自惚れた考えをして、また駄目だと自分に言い聞かせた




「じゃあ、またね」



『うん…』



―ちゅ、と触れるだけのキスをした



「大好きだよ」


『うん』



――私はまだ、好きではないかな




「――ずっと一緒にいようね?」


『…え、』



その顔が、なんだか本気な気がして




バイバイ、なんて言って手を振って去っていく颯太の背中が見えなくなるまでその場に立ち尽くした