法事で実家に帰った時、年頃の僕に母方のおばから

冗談で結婚の話を聞かれた。

だから僕は、そこで初めて付き合っている彼女の話をした。

素敵な人がいると…


それから、母の体調がよくないからと父に懇願されて

仕方がなく実家に帰ったクリスマス。

僕は母と過ごすつもりだったのに、無理矢理に

お見合いをさせられることになった。

このタイミング、なんてことだろう…

その間にひなさんの身に大変な事が起こっているなんて知りもせずに…


僕はその見合いの席で、開口一番はっきりと相手に対して

「別に結婚したい人がいるので、この話は白紙にして欲しい」と詫びた。

相手は面喰っていたが、それでも話が進む前だったので

そこまで怒りはしなかった。


それからそのままホテルのレストランで、

僕は両親に対して、付き合っている人がいる。

彼女に子どもがいること、その彼女…

ひなさんと結婚するつもりだと告げた。


両親は小学生の娘が二人もいる年上の女性との付き合いはまだしも

結婚を…

許すはずもなかった。聖夜の夜に、両親からはっきりした拒絶。

僕にとっては最悪の気分のクリスマスだった。


家に帰ってその晩はそのまま自分の部屋に行き、

顔を合わせることもなくさっさと眠った。