「桜さん!」
不意に呼ばれて振り向くとそこにいたのは
「・・・心奈ちゃん」
走って探したのか少し息が上がってる
「どうしたの?」
「いえ、あのアドレス交換して貰っても良いですか?」
「いいよ、」
心奈ちゃんとアドレスを交換した。
「なにかあったらいつでも連絡して?」
「はい!ありがとうございます。」
ふと、心奈ちゃんの視線が下を向いた
その先には、手を繋いでいるあたしと玲慈の手があった。
やばい!
解かなきゃ!
そう思って手を離そうとしても離れない玲慈の手
「ちょっと離してよ!」
「なんで?」
「なんでも!」
「やだ」
そんな、やだなんて子どもみたいに
「・・・玲慈さん、」
「なに?」
あたしに話すときと違って少し冷たい玲慈の声


