「先ほど、玲慈さまと一緒にいらしてたのをお見かけして、本当はもう少し早くにお声を掛けたかったのですけど、タイミングが無くて」
玲慈さま?
「玲慈の知り合い?」
ぽっと顔を赤らめる心奈ちゃん
ん?
どうしたんだろう。
「玲慈様は、きっと私のことなんて覚えてはいらっしゃらないと思います。昔、変な人たちに絡まれて居たところを助けていただいたのです。それからというもの私の心からあのお方のお姿が、焼き付いて消えないのです。」
=好きってことよね?
「そうなんだ、だから一緒にいたあたしが誰なのか知りたかったと?」
「それもあります。でも・・・」
「でも?」
「他の理由もあるんです。いつ声を掛けようかと華さんを目で追っていました。そんなとき華さんに百合さんがちょっかいを出していて」
百合さん?
「ごめん、ゆりさんてだれ?」
「赤いドレスを着ていらっしゃった方です。あの方は私と同じ事務所に所属していて、気に入らない子や自分より優れた人に嫌がらせをしていました。私は市長の娘、ということで直接手を出されたわけではないんです。けど、陰口などは日常茶飯事で、でも素人の人にまで口を出すのはおかしいと思って、でも、私も怖くて何もできなくて見ていたんです。」
そうだったんだ。
助けようとしてくれたんだ、というか見られていたって思うとなんか恥ずかしいな
「私は見ていることしかできなくて、でも華さんは、真っ直ぐ百合さんと向き合って自分の気持ちをぶつけていて、かっこいいって思ったんです。こんな人になりたいって、こんな人とお友達になりたい!そう思って声を掛けました。」


