あたしは5番目だった
緊張してきたよー
でも、リオさんの期待に応えなきゃ
「・・・くすくす、あんなに緊張して大丈夫なのかしら」
「素人でしょ?無理よ」
そんな声も無視
今はこの先にある一本の光の道のことで頭がいっぱいだった。
「5番目の人お願いします。」
「はい」
深く深呼吸をして目をつぶる
大丈夫できるわ
--「続きまして、江戸時代からタイムスリップをしてきました桜蛇遊さんです」
--わぁーーー
歓声の中真っ直ぐ前を見て歩き始める
出て行くあたしと違って帰ってきたのは、さっきの赤いドレスの女性
でも、あたしの眼中には入らなかった
--カランカラン
あたしが履いてる下駄が鳴る
--「えっ本当にさっきの子?もの凄いオーラよ?」
--「あの色気は何?悔しいけど本当に綺麗」
ステージ裏でそんな話しが飛び交ってるなんて
当の本人の耳には入らなかった。


