「桜ちゃんまずはこれを来て」
渡されたのは着物
「普通に着付けていいんですか?」
「桜ちゃん自分で着付けられるの?」
「一応は」
「じゃあ、帯は前で結んで着替えてきて」
『社会人たるもの着物が着れなくてどうしますか』って
会社のお局さんに言われて教えて貰ってよかった
無駄な勉強なんてないんだなってこんな時に実感しちゃった
着替え室は、、、、
ここだ
控え室の端っこに何個か試着室があった
そこで着替えることにした。
街だけのイベントとはいえ、綺麗な人や可愛い人で控え室は溢れていた
あたし場違いなんじゃ
すると、あたしが入ろうとした試着室から綺麗な真っ赤なドレスを着た女の人が出てきた。
「あ、どうも」
「・・・(ぼそっ)素人はせいぜい恥をかかないことね、それと足を引っ張るんじゃないわよ」
すれ違いざま睨まれぼそっと言われた。
そうね、恥をかかないというよりはリオさん達に迷惑が掛からないようにするのが一番よね
「あの、」
今あたしに言った赤いドレスの女の人を呼び止める
「な、なによ」
呼び止められるとは思ってなかったんだろう
目を見開いている
「ご忠告ありがとうございます。足を引っ張らないよう一生懸命頑張るので、よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げる
「わ、わかればいいのよ、わかれば」
そそくさと、どこかに行ってしまった。
これも社会にでて教わった。
物事はすべて自分の心の保ちようで変わってくる
良いように拝借するのも、悪いように拝借するのも自分次第
喧嘩を売られたら買うんじゃなくて、受け止めればいい
あの頃のあたしじゃ考えられなかった考え方
ってそんな浸ってる場合じゃない
着替えなきゃ!!!


