買い物に行ったりテスト受けたり
着々と夏休みが近づく


「桜ーあーつーいー」


はて?
目の前にいるのは誰だろう?




見た目は玲慈なんだけどこんなあまえた玲慈は知らない





最近わかったことは
玲慈は黙ってればクールとか大人とか言われて牙を剥き出してるのに
気を許すと牙じゃなくて腹を見せる





いいことなんだろうけど
まだ慣れない


「あたしも暑いんだから、ちょっと離れてよ」





「いーやーだーーー」




はぁ、、、





「ため息つくと幸せ逃げるよ?」




じゃぁ離れて欲しい





---プルプル



誰かの携帯が鳴った




「あ、あたしだ」




知らない番号



膝にあった玲慈の頭をどかす



「いってぇ、、、桜」



玲慈が頭を押さえながら恨めしそうに見てるけど気にしてられない





少し人に聞こえないように電話に出る




「もしもし?」




「、、、。」





いたずらかな?





「いたずらなら。切りますよ?」





「まって!桜なの?」




この声は




「、、、仁?」




「そうだよ、桜いつ帰ってきたの?」




「この間ってかなんで番号知ってるの」




「竜樹から聞いた」



勝手に教えるなよ




「そう、用件は?」




「会って話したい、いつ会える?」





「明日の夜6時に学校に来て、竜樹のいる理事長室で話しましょ」





「わかった、生きててよかった」



---プチッ




生きててよかったか、人を勝手に殺すな
懐かしいな、みんな何してんだろう




--ひょこ



「桜、電話終わったー?」




後ろから顔を出す玲慈



「終わったよ」





玲慈聞いてないよね?
そう思いながら今まで居た場所に戻る











「明日は倉庫来る?」








帰り際に鈴太に聞かれた




「ごめん、明日は行けない」





「じゃあ、そんまま家に送っていいのか?」






「玲慈、送りはいらない理事長と話しがあるから、先に帰ってて?」







「わかった」





いやいや、あなた言葉と行動合ってませんよ?

言葉では納得してんのに
明らか顔はしょぼくれてんじゃないかい!




牙の欠片すら見あたらない狼だなぁ





「ねぇ、桜わかってる?」





「なにが?美鈴?」





「桜は姫なの、この間お披露目もしたから初の獣王の姫なんだよ?

そんな人を狙わない族はいないでしょ?」




確かに
でも、あたし自分の身ぐらい自分で守れるんだけどなぁ、、、。






「わかってる、桜が強いことぐらいでも、姫も守れないのかって言われるのは獣王なの


そういうレッテルを貼られたら簡単には解けないのわかって?」





そうか、あたしの行動で迷惑が掛かるんだ



「ってなんで?あたしまた。」





「「「ばっちり漏れてた」」」





ですよねーーー





「じゃぁ8時に学校に迎えに来て?」





「わかった」





あらまぁ
さっきと同じことを言ってるのに
今度はまたまた言葉と行動がおかしいですよ玲慈さん、、、




言葉は冷静に聞こえるのに、口元のにやにやが気持ち悪い




「じゃぁとりあえず今日は、帰る」