玲慈サイド)
不思議な女と出会った
名前は坂上桜
すらりと伸びた白くて細い手足
胸下まであるダークブラウンの髪
筋の通った鼻に形の綺麗な唇
とっても美人な女だった
獣王のみんなが会う前に俺は桜に会ってた
どこかでまた会えるんじゃないかって変な自信があった
その通りになって自分でも驚いている
子供のようにいたずらをしたかと思えば
大人のような言動
時々見せる儚げな笑顔
どれもが俺の心を惹きつける
今の時期姫を作るなんて自分でも馬鹿だと思う
狙われるのは目に見えてるから
美鈴や鈴太にも散々批難をくらった
でも側においときたかった
いざ2人とも桜に会うと手のひらをひっくり返したように
賛成してきやがって
この間の暴走のときの桜をみて
雷音のみんなも、梟のみんなも
直接は言わないが桜に惹かれ認めている
本人は全然気づいてないけど
俺は最初に会ったとき桜に一目惚れした
ただ桜はたまに俺たちをガキ扱いする
だから全然眼中にないんだなって思う
でもいつか手に入れたい
理事長室に向かって走って行った桜の後ろ姿を見て
俺は緩む頬を手で隠しながらクラスへ向かった