普通は来た道を戻る
でもあたしは近道を知っている
後ろの美鈴が
この道じゃないよ?
なんて声も聞こえないふりして
猛スピードで駆け抜けていく
違う道から銀太のコール音が聞こえる
銀太達はまだこの道しらないんだ
来た道をもどれば倉庫までは20分
あたしの知ってる近道は15分で着く
お!見えてきた
「いっちばーん!」
予想通りあたしが一番だった
驚いていたのは美鈴
だったけど猛スピードでくねくね曲がるあたしの運転に酔ったみたいでソファーに横になってる
5分後
「着いた「銀太おっそーい」
銀太からは見えないように隠れたあたしは
嬉しそうに叫ぼうとする銀太の言葉に被せて意地悪そうに登場してやった
「は?嘘だろ?」
驚く銀太
「嘘じゃない、美鈴が証言してくれるはず
あたしの勝ち何してもらおうかなぁ」
項垂れる銀太
その後ろから続々みんなが帰ってきた
「桜どうだった?」
「あ、玲慈
勝ったよ」
Vサインを見せて笑う
反対に驚くみんな
どこからか
「嘘だろー賭に負けたー」
賭けてたんかい
ごめんなさいねー勝っちゃいました
「銀太お願い見つけた!」
「な、なんだよ」
構える銀太
「銀太のバイクの後ろに乗りたい」
「そんなんでいいのか?」
「いいよーでも今日は眠いからまた今度」
もう若くないあたしはあの頃と違って眠さがピーク
昔ならこれからだったんだけどなぁ
「じゃあ送ってく」
玲慈に引っ張られ乗せられ家まで送ってもらう
マンションの前に着いた
「玲慈、今日はありがとう」
「楽しかった?」
「とっても楽しかった」
「途中ごたごたあってごめんな?」
気にしなくていいのに寧ろあたしが
「桜のせいじゃない、桜のお陰で俺たちはまた成長できたありがと
桜すぐ顔にでるな」
くすくす笑う玲慈
また、出てたのかー
あたしそんなにわかりやすいかな?
「とりあえず、明日迎えに来るから」
「なんで?」
「迎えにきたいから」
よくわかからないけど頷いといた
「おやすみ」
「おやすみなさい」
こうしてあたしの普通じゃないお披露目暴走が幕を下ろした。


