「さくら!」
竜樹が怒った
息が荒くなったあたしを子供をあやすように背中を撫でながら抱き締める
「桜さんのせいじゃないです。
あれは、、、不慮の事故です。」
あの雨の日をあたしは忘れない
「桜さんが決めることです。俺が口出すことじゃありません、
でも逃げたってなにも変わりません、一番わかってるのは桜さんでしょ?」
そう、わかってる
逃げちゃいけない
だから戻ってきた
きっとこれも出会うべくして出会って
必然的だったのかもしれない
「取り乱してごめん、玲慈たちここに呼べる?」
「もちろん」
さっきまでとはちがって穏やかに頬笑む
「ーー至急理事長室に」
あたしがぼーっとしてる間に放送が掛かったみたい
暫くして
--コンコン
「失礼します。」
3人が入ってきた
あたしが座ってるソファーの前に3人が座っている
「桜さんから話があるみたいですよ」
竜樹はそう言って理事長室を出て行った
理事長室なのに理事長がいないなんて
「あのね、、、あたしこの前玲慈から逃げた
獣王が怖いとか族が怖いとかじゃなくて
大切な場所をまた無くしてしまうんじゃないかって
だったら作らない方がいいんじゃないかって思ってた
でもそれは逃げだった。
あたしはもう一度大切な場所を見つけたあたしもみんなと一緒に守りたい」
これがあたしの決意
「もう逃げられないぞ?」
風雅と似てる目をした玲慈にそんなに真っ直ぐ見られたら
頷くしかないよ