あたしの正体をばらしてから、マンションも引き払い今は、竜樹の家で少しお世話になっている
――カタカタ
桜は今まで手が付けられなかった会社の資料を眺めたまっていた事務処理に追われていた
「桜さん、本当にいいんですか?」
パソコン画面から目を離すことなく竜樹の話を聞く
「何が?学校をやめたこと?会社に戻ること?」
「...両方です。」
「学校は、もう行かないって行けないわ。どんな顔して会えばいいかわからないもの、それにそろそろ会社が心配なのよ、潮時ってやつ」
あれから、玲慈たちに会うわけにもいかず、学校に行くということすらしなかった
「そうですか、玲慈君たち心配してましたよ?」
「...そう。」
「何も言わなくていいんですか?」
「えぇ。だから竜樹、何も言わないで?あたしはもうすぐこの町を去るのだから」


