「そうね。仲間を見捨てたやつがいる倉庫じゃないわね、それじゃ。あたしはもうここには来ないわ。もう、ここは獣王の倉庫だものね」
「ッさくら!」
「玲慈さん!あんなやつ庇わなくたっていいんです、裏切りは許せません!」
なにかを言おうとした玲慈に、下っぱが駆け寄る
こんな嘘通じるほど、玲慈はバカじゃないってことか…
「それじゃ仲間ごっこ楽しんでね?ばいばーい」
「ッちがう!」
あたしの、最後の一言にカチンときたのか、玲慈がツカツカと人をかき分けてやってくる
「仲間ごっこじゃねぇ!ここは居場所なんだ、居場所を守るために俺たちは戦う!」
真っ直ぐ、曇りのない瞳
あたしより高い身長で見下ろしながら投げかける言葉は、叫びにも聞こえた
「...居場所。なら守りなさい。なにがあっても、守り抜きなさい」


