本当は伝えるつもりなんてなかった。 だって。これから離れ離れになる。 住む世界が違う、年も違う。 ......でも。そんなの、ただの後付の理由だ。 誰と居る時が安心するの? 心がざわつくのは、だれを思うとき? もう、あたりは暗くて星が輝き始めていた。 久しぶりに走って息が上がって辛いのに、足は止まらなくて、もう目の前の曲がり角を曲がれば、 ......いつもと変わらない倉庫があるはずだった。