家まで、送ってもらって、玲慈は倉庫に行くからと言って帰って行った。
――ガチャ
「ただいまー」
――シーン
さっきまでは感じなかったのに、急に寒く感じた。
玲慈といたから、寒くなかったのかな?
そんなことを考えていたら、抱きしめられたことを思い出して体が熱くなってきた。
「はぁ。玲慈のバカ...」
その続きを言おうとして、はっとした。
「寂しいなんて、まるで玲慈のこと恋しいみたいじゃん...。え?」
もう。あたしの中で答え出てるじゃん
いいの?あたし?
4つも年下なのよ?
風雅はどうするの?
そんな考えが浮かぶのに、頭の中は、さっきの玲慈の告白や今まで見てきた玲慈の顔が浮かぶばかり
いつの間にかあたしの中で、玲慈という存在が大きくなっていた。
机を見ると、さっきもらった包みがあった。
――ガサガサ
開けるとかわいい雪の結晶のピアスが入っていた。
「かわいい、これローズクォーツとラピスラズリ?」
石言葉を思い出して、さらに顔が熱くなった。
この、ピアス愛の言葉ばっかり
あたしも、この気持ちを伝えたい、でも伝えられない
だって。もうすぐあたしは正体をばらしこの生活を終わらせるのだから
頬を伝う温かいものが、現実を突きつける。


