それからは、前と変わらない生活が続いた。



学校に行けば、美鈴たちがいて、サボる時には、みんなで屋上や理事長室に集まってずっと喋ってた。





「そーいえば、最近、桜タバコ吸わないね?」




澄み渡る9月の空の下、屋上にいたあたしに玲慈が、少し微笑みながら聞いてきた。




「そーいえば、最近吸ってないけど、たぶんそろそろ限界、吸いたくてたまんないかも」





「ありゃ、俺目覚めさせちゃった?それじゃお詫びに、これ!」




差し出されたのは、大福





「普通さ、タバコ吸いたいってなったら、渡すのはガムとかじゃないの?大福って」




「ばーか。鈴太わかってねーな、桜はこれでいいんだよ」




そ。あたしにはガムとかいらない、
それにこの、大福はきっと、、。




「...あそこの和菓子屋行ったんだ」






「よくわかったな!」





わかるよ、ふわっと口の中に広がる甘すぎない餡子、それを包む少し弾力のある餅の皮、とても優しい味




「...元気だった?」





「あぁ、いつも桜を心配してるみてーだ」




そっか。
もう少しひと段落したら、会いに行こう