昔はうるさかったあたしのバイクも今じゃ大人しく役目を果たしている
倉庫に着くと今日も下っ端君達はバイクを弄っていた
「美鈴さん、こんにちは!」
「こんにちは、あ!タクあとであたしのバイク見ておいてくれない?」
タクと呼ばれた子は、人なつっこい笑顔の男の子だった
「はい!・・・あの桜姫ですよね?」
「・・そうだけど?」
急に美鈴の後に立っていたあたしに話しかけてきた
「バイク乗ってるんですね!かっこいいです」
「あ、ありがとう」
・・・興奮して鼻息荒いよ
「さくらー行くよー」
いつの間にか倉庫の中に入っていった美鈴
・・・置いて行かれた。
「あたし、ちょっとバイク弄ってから行く!」
「わかったー」
さて、ここには道具も揃ってるし・・・あーでも服汚れちゃうな。
「タクだっけ?」
美鈴のバイクを一生懸命弄っていたタクに声をかける
「はい!なんですか?」
「あのさ、汚れても良い服ってある?」
「作業着ならあるんですけど・・・。」
「お!丁度良いそれ貸して?」
「えぇ!作業着ですよ?それに俺たちだって使ってるから汚いですし・・・。」
「あたしは気にしないからさ!裸でやるわけにはいかないし」
「そそそそ、それりゃもちろんです!・・・(ぼそっ)総長より先に見たら俺、殺される。」
「ん?最後の方聞こえなかったんだけど」
「い、いえなんでもありません、今取ってきますね!」
タクはそう言うと倉庫に入って行った。


