「はい!この話はこれで終わり、さ!ご飯も来たし食べよ?」
目の前にだされた食事を無言で食べ進める
「・・・桜ちゃんは何で気持ちを誤魔化すんですか?」
「・・・心奈ちゃん?」
「桜ちゃんは友達の存在をどう思ってますか?」
・・・友達
今までのあたしの周りにはいなかった
居たのは仲間だけ
「・・・友達って喧嘩してもぶつかっても一緒にいる、居心地がよくて楽しくって何でも話せるそういう物じゃないんですか?友達だから話せること。友達だから言えないこと。いろいろあるけどどんな時間も一緒に共有できる、そんな存在だと私は思ってます。」
真剣に話す心奈ちゃんからあたしは目を反らすことが出来ない
「・・・あたしは」
「わ、私は!上辺だけの友達なんていりません!私は桜ちゃんが好きです。だから力になりたいんです・・・。悩んでいるなら一緒になって考えたい、悲しいなら一緒に泣きたいそういう存在になりたいんです。全て話して。なんて言いません、でもいつか話してくれると思ってます。桜ちゃん私たちじゃ桜ちゃんの力になれませんか?」
・・・こんなに真っ正面からぶつかってくれているのに
あたしは、何も伝えられていない
言わなきゃ伝わらないってわかってるのに、言葉にさえしていない情けない
「・・・ごめん。」
「「・・・桜(ちゃん)」」
「あたし、友達ってどういう存在かなんて考えてなかった。ただ仲良くしてればいいなんて、馬鹿だね。こんなに2人を苦しめてたなんて気づかなかった。
・・・あたし、まだ2人にも、獣王にも言えてない秘密がある。でも、それはまだ言えない、いつか必ず言うから今はごめん。」


