倉庫に充満している、鉄の匂い目に映るものは赤く染まって
ここで何があったかは一目瞭然だった。
『こんなもんかい?』
雑魚かった。
--『さくら!!!』
バンッ
響く銃声
目の前に立ちふさがる陰
なにが起きたかわからなかった。
『風雅!!!』
あたしの耳に届いたのは誰かが“風雅”と呼んだことだけ
『・・・ふう、が?』
--『・・さ、くら、ぶ、じ?』
目の前に横たわる風雅
風雅は撃たれた。
・・・誰に?
『桜さんは風雅についていてあげてください、あいつらは俺たちでどうにかします』
竜樹達が一斉にどこかへ向かっていく
--『さく、ら』
『風雅!喋らないで』
お腹から流れる血は止まることを知らない
『すぐ、救急車来るから』
--『さくら、聞い、て』
『だから喋っちゃ・・・。』
唇に触れる暖かいもの
少し血の味が流れ込んでくる。
--『自分のことは自分が、よく、わかってる。さくら、ごめん夢。叶えられそうもない』
『何行ってるの?一緒におもちゃ会社作るんでしょ?あたしが秘書で風雅社長なんでしょ?』


