「・・・ということです。えー。わかったかな?」
「「「「「はい」」」」」
かれこれ三時間近くみんなに教えて回った。
「桜姫、ありがとうございます。俺初めて問題自力で解けました!」
そう言ってきたのはさっき数学を教えたときに指名した坊主君だった。
「そうなの?良かった」
「とてもわかりやすかったです。俺馬鹿だから解けないのはしょうがないって思ってました、でも俺でもできるって思ったら自信がつきました!!」
「そう。でも、あたしもすっごい馬鹿だったのよ?」
「えぇ!?」
「ほんとよ?でもある人があきらめずに丁寧に教えてくれたの、だから今坊主君に教えたのは、その人があたしに教えてくれたことをそのまま伝えただけなの」
「そうなんですか、ちなみにどのくらい馬鹿だったんですか?」
「うーん、学校の順位で言うと、ケツから数えた方が早いぐらいよ?」


