--ポーン--ポロンポロン。
この曲を誰かに聞かせるなんて、あたしどうしちゃったんだろう。
--シーン
あれ?弾き終わったのに反応なし?
そんなに下手くそだったかな?
「……ある英雄の死をいたむ葬送行進曲」
「…玲慈、知ってるの?」
「あぁ、俺の姉貴が弾いてた」
玲慈もお姉さんいたんだ
「桜ちゃん凄いよ!!!聞き惚れちゃった」
「まぁ、怪力女にしては上手かったんじゃね?」
「京介ありがとう。…銀太?怪力女ってなによ!」
「あ”?本当のことだろう?」
「なんですって!」
銀太に一発お見舞いしてやろうと立った瞬間
…ズキッ
「…ッた」
右足に走る激痛
そう言えば怪我したんだった。
倒れる!
ガタンッ
…あれ?痛くない?
「…イッテ。桜、大丈夫?」
さっきまでソファーにいた玲慈があたしの下敷きになっている。
「れ、玲慈!ごめん!…って、え!?」
慌ててどけようとするあたしを玲慈が抱える。
今度は俵担ぎ
って俵担ぎ!?
「ちょっと!下ろして!」
「だめ、桜危ないからもう寝ろ」
「あたしは、大丈夫それに片付けなきゃ」
「俺たちがやる、だから寝ろ」


