△玲慈サイド
「おかえりー王子様」
桜の家に帰ってきた。
一番に迎え入れてくれたのは・・・
「・・・ただいま、京介」
にやにや笑顔の京介だった。
「あれれ、王子様はご機嫌斜め?」
「・・・お前、知ってたろ」
「んー知ってた。」
いっつもへらへらしてるけど、一番頭の回転が速くて厄介なのはこいつだ。
「で、わざわざおまえがお出迎えってことは、なにかあったのか?」
「さすが、王子様ご名答!・・・裏で動き始めた。あと、やっぱり桜ちゃんのことはわからない」
族というか裏社会にいると、情報はとっても大事になってくる。
京介には、獣王の情報処理を担当して貰っている
だから、最初に桜に会ったとき、京介に勝手にだが桜の素性を検索して貰っていた。
何度もやってくれているみたいだけどその度に、ブロックされているみたいだ
「・・・そうか」
「いいの?このまま桜ちゃん置いておいて、素性もわからないのに・・・」
「たしかにな、でも俺は自分の人を見る目を信じる」
「そう言うと思った。それに俺も桜ちゃんなら大丈夫な気がする」
「・・・あぁ」
「そろそろ戻らなきゃ、心配させちゃうよ?王子様」
「その、王子様てのなに?」
「違うか、王子様になりたいけど姫に気づかれない王子様だね」
「・・・。」
うるせぇよ
・・・今は・・な。


