「俺、どんな目してた?」
「・・・とてもいとしいって目から溢れてましたわ」
「まじか、恥ずかしいな」
「桜ちゃんとは出会ってどのくらいですか?」
「一ヶ月も経ってないな、それに最初は俺の中で桜って、今までの女と違うな変な女、としか思ってなかった。」
「どうして、今のような想いを?」
「・・・あいつ、真っ直ぐなんだよ。俺らと関わるときも、初対面の人に対しても、ありのままをぶつける、全てわかったような目をしてるくせに、桜自身のことはなにもわからない謎な所、それがあいつの魅力で気づいたら目で追ってた。こんなの初めてなんだ」
・・・魅力
私もモデルの端くれ、桜ちゃんのオーラがただ者じゃないってこともわかる。
惹かれるのも・・・・わかる。
「・・・・・・私、玲慈さんのことが・・・好きでした。」
「・・・ありがとう。過去形?」
「はい。玲慈さん以上に桜ちゃんが好きになったので」
「そっか・・・ライバルか」
「ふふ、そうですねライバルです。」
私は、桜ちゃんには勝てない
なら、見守ろう桜ちゃんの幸せのために
なにより、私が好きになった玲慈さんのために
「あ、ここです。」
気づいたらもう、家の前だった。
「今日はありがとうございました。」
「俺は何もしてない、桜に伝えとく」
そういって玲慈さんは来た道を戻っていった。
▽エンド


