当の本人達がいないなら、もう用は無いとばかりに踵を返す煌に桐也は待ったをかける。




「ちょっと待て。ケー番教えろ。あいつらに会ったら電話してやるから。」



「(ちっ…)仕方がねぇ。」



本当は絡んでくるだけの桐也に教えたくは無かったが、事件解決の為と渋々教え、今度こそ煌と隼弥は廃ビルを後にした。




煌と隼弥の姿が見えなくなると、桐也はため息をつきながらしゃがみ込む。



「ちくしょーなんで煌一人じゃねぇんだよぉ…」


そう、先程の会話を聞いてお分かりだろう。

桐也は煌のことが好きだ。

昔から戦隊ものなど強いものが好きで、煌の喧嘩を見た桐也は一目惚れしたのだ。



同じく煌に一目惚れした隼弥は、自分とは違いストレートな態度の桐也の気持ちに気付いていた。