「ありがとうございます。今日はこれで失礼させていただきますが、またお話をお伺いすることもあるかと思いますのでその時はご協力お願いします。」




「分かりました。」



烏田切は蘇芽を呼ぶと2人を玄関まで送らせた。

一応蘇芽にも話を聞いたが御方や烏田切と似たようなものだった。




「なんか上手いことかわされましたね。」



「あぁ、特に烏田切は食えねぇ奴だな。さすが参謀といったところか。まぁ、真っ正面から行っても無理なことは重々承知だ。張り込みつけるから、それで尻尾が掴めればいいけどな。」


「そうですね。」




署に戻る途中の車中では、瀬羅の落胆と志麻の希望が入り交じっていた。


話は聞けたものの結局3人ともアリバイがなく、かといって証拠もない。


今あるのは、癒鼬組、特に掴みどころが無かった烏田切が怪しいと警告を鳴らす刑事の勘というやつだけだった。