「先輩。病院行ってきていいっスか?」


「ああ!今、車を回す。」

「いいっスよ、病院くらい一人で行けるっスから。」


志麻に許可をもらった煌は出血をタオルで押さえつつ病院へと歩き出す。

しかし、足元が覚束ない。



「あ、おい!お前そんなふらついて行ける訳ないだろ。」

「俺がついて行きます!」


一人で行かせる訳にはいかないと隼弥は煌を追いかける。


「隼弥!ったく、どいつもこいつも…少しは俺の言うことも聞け!」



先輩であり現場の指揮をとっている自分の指示を聞かないばかりか、隼弥は仕事まで放置していった。


瀬羅が発端の騒動に煌の怪我、隼弥の勝手な行動と各々に動く部下に頭を抱える志麻を見て、
現場にいる警察関係者は苦笑いを浮かべるしかないのだった。