「とりあえずこれで出血の方は大丈夫です。ただ殴られたのが頭なので、後程精密検査受けてくださいね。伺った限りでは、軽いですが脳震盪も起こしていたようなので。」


「分かったっス。」



全身血まみれではあるが、包帯を巻かれているのは頭だけ。

だが、見た目からは分からないのが怖いところ。


あの長い検査を受けるのは面倒だが、どうせ周りが強制的に連れていくだろうから仕方がない。

と、周りの心配を分かっているんだかいないんだか、いまいち的を得ない煌の思考回路である。



「蘇芽の方は、どうっスか?」



先に搬送された蘇芽の状態が気がかりだった。



「手術してみないことにはなんとも……。ただ、弾は貫通していましたし、急所も外れていましたから命に関わるようなことはないと思います。」


「そうっスか。」



救急隊の言葉に、ひとまず安堵する。