「…ごめん。」



そういってゼリーをテーブルに置くと隼人は立ち上がる



「これ、ここに置いとくから好きなときに食べろよ。

俺、帰るから」



そういって隼人はあたしに背中を向けた


やだ…
まだ行かないで?



もう少しだけ側にいてよ


だってこのままこの部屋を出れば
また柴崎さんのところにいっちゃうんでしょ?


柴崎さんの隼人になっちゃうんでしょ?



また少しずつあたしとの距離は広がるんでしょ?



そんなのやだ



好き。
あたし隼人がこんなに好きなのに



やだ



やだ



お願い、行かないで




もうこの大きな気持ちを止めることができなかった


「美…海?」



ビックリしてるよね
ほんとは嫌でしょ?


でも少しだけこのままで


「お願い、行かないで…」



あたしはベッドから飛び出し、隼人を後ろからギュッと抱き締め、背中におでこを当てた


あたしは矛盾している